News Photo

三菱商事、洋上風力で522億円損失 コスト増で計画見直し 4〜12月期

再生可能エネルギーの切り札として注目される洋上風力発電を巡って、三菱商事は6日、国内3地域で進めている洋上風力発電事業について、建設コストが高騰していることから、2024年4〜12月期連結決算で522億円の損失を計上したと発表した。既に同事業の採算性の再評価を行っており、この結果を踏まえ、事業継続について判断する。

3地域は、秋田県能代市・三種町・男鹿市沖と同県由利本荘市沖、千葉県銚子沖。三菱商事と子会社の三菱商事洋上風力、中部電力系列のシーテック(名古屋市)などの共同体が2021年12月に受注した。3地域はいずれもまだ計画中で主要工事は開始していないが、28〜30年の運転開始を見込んでいた。

再評価に至ったのは、サプライチェーン(供給網)の逼迫(ひっぱく)や世界的なインフレ、円安などで資材や人件費が上昇し、事業を取り巻く環境が厳しくなったのが要因だ。

三菱商事の中西勝也社長は同日の決算記者会見で、撤退の可能性について問われ、「再評価中としか申し上げられない。ゼロから一遍見直すということに尽きる」と述べた。

一方、4〜12月期決算(国際会計基準)は純利益が前年同期比18・8%増の8274億円だった。

中部電力も3日、24年4〜12月期決算で洋上風力発電事業の損失として179億円を計上したと発表していた。(佐藤克史)

Share This News

Comment

Do you want to get our quality service for your business?